◇ 序論 - 空気の定義・分析・考察
はてな界隈では「空気」又は、「空気読め」とは何かについて議論するのが流行っている。
(多少ピークは去った感があるが、社会において根源的問題であると認識する)
これは はてな界のみならず、TVのニュースや雑誌・本等でも度々「コミュニケーション能力不足」として、時には「マナー」「常識」「ニート」「今時の若者」と絡めて取り上げられたりする。
はたして「空気」とは何だろうか。(酸素とか二酸化炭素とか窒素とかなしで)
そして「空気読め」とはどういう意味で使われているのか。
「空気読め」と言いたくなる心理、「空気読め」と言われたくない心理とはなにか。
「空気」は読むべきか、読まざるべきか。
相関して用いられる各々の記号との関連はなんであるか。
これらの問題について、定義、分析、考察をする。
◇ 1. 空気の定義
・ 空気とは「意見・ルール・目的・流れ・指向」の側面を捉えた別称である。従って、個人でも空気を有し、複数の空気が存在する場では、最大公約数として認識されるそれらが「場の空気」として「空気を支配」する。
・ 空気の支配とは力関係(権力・暴力・勢力)に左右される。
・ 意見には「積極的意見の肯定」と「消極的意見の肯定」が存在する。
・ 積極的意見の肯定とは、自分以外の他者の影響が少なく、自らの判断で能動的に行う肯定である。(コントロールされている可能性はあるが、自分自身は能動的に判断していると思う状態も含まれる)
・ 消極的意見の肯定とは、自分以外の他者の影響が大きく、他者が判断しているであろう方向を能動的に肯定する事である。又は、自分自身の意見とは関係なく、より多数の判断に任せようとする受動的肯定である。
・ (暗黙の)ルールとは、成文化・言語化問わず、自分以外の他者と共有されているであろうと判断する「決まり」である。(≒マナー・常識)
◇ 2. 空気の分析
定義が分かりにくくなってしまったが、要約すると「場におけるマジョリティの判断」がキーワードになる。
「空気」自体に「善悪」「正誤」「真偽」の絶対的属性はなく、空気を肯定・又は否定する人々によって相手を従属させようとする場合に「善悪」「正誤」「真偽」の価値が用いられる。(絶対的属性はないが、社会という構造が他人との関係によって維持されている物であるので、マジョリティの判断が「正しい」とされる場合が多い(相対的属性))
◇ 3. 空気に関連する考察 - コミュニケーション能力
「空気」を論じる時、コミュニケーション能力と絡められて論じられる事が度々ある。
何らかの相関関係があると認められる。
「コミュニケーション能力」とは何であろうか。
3-1. 「コミュニケーション」について
コミュニケーションとはそれ自体「コミュニケーション論」「コミュニケーション学」と
研究対象になりうる記号なので、一概に定義することは難しいが、ここでは「相互意思伝達」とする。一方通行ではなく、相手からの応答を受け取ってコミュニケーションと呼べるという事である。
3-2. 「コミュニケーション能力」について
相互意思伝達(目的)を行使する為の能力(手段)である。
能力は以下の分類があると考えられる。
・ 構成能力
・ 伝達能力
・ 理解力
構成力とは
考えを論理だてて纏める能力。(統合力・判断力・論理的思考等)
伝達能力とは
構成された意見を伝える能力。(言語力・筆記力・表現力等)
理解力とは
相手から伝達された意見を理解する能力。(知識・読解力・分析力・解析力・認識力・判断力等)
現実に相手と相対している場合は、言語だけではなく、表情・仕草等の非言語による意思の伝達もそのうちの一つと考えられる。ネットなどの掲示板の場合は、文章力が重視される。
* 蛇足
コミュニケーション能力は重要であるが、「コミュニケーション」をする為の手段として、又は何らかの達成したい目的の為に重要なのであり、英語力を高める為の英語の勉強等、能力が高くなった時点で満足してしまうような手段の目的化には気をつけたい。
次回は
4. 空気に関連する考察 - 常識・マナー・ニート
5. 「空気嫁」の心理
の3本でお送りしま〜す。ンマクック。
(予定変更 4/21 3-3. 空気を巡る混乱)
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