2005年12月26日

階層型分類とタグ型分類の違いについて(Folksonomy)その2


前回は、階層型分類の問題点とタグ型分類とはどういうものか
というのを説明して終わってしまったので
今回はイヒへの返信の続きと、タグ型分類の考察について書こうと思う。

ではまず返信。

> はてなBMがわからんからはてなBMをWindos、
> サイトをファイルって感じで
> イメージしてるだけやけど、


これはイメージがちょっとずれている。
サービスをWindows、サイト(検索対象)をファイルと捉えるのはむしろ階層的。
Cドライブをトップディレクトリとし、その下に連なるフォルダ、サブフォルダがカテゴリ。
そして最終的に存在するファイルがサイト。またはエントリー。

> やっぱ整理しようと思ったら階層型のが
> ええやろしタグだけやと整理はどーすんの?
> って気がするし
> 直接取出したかったら検索から選べんこともないしなぁ


これは同じ見解というか、同じ疑問を抱いたな。
今や誰もがblogを気楽に持つことができ、
携帯などの端末から日常の出来事を投稿したり
マスメディアが発表するニュースや、企業の商品・サービス紹介など
さまざまな情報があふれ返っている。
それら全てを人力で階層に押し込めるという作業は、もはや破綻しているのは明確だし
かといって記事を投稿する人が、どこかのカテゴリへ押し込めるというのも
複数の側面を持つ記事や、既存カテゴリのどこへ入れたらよいのかという問題が
出ることは前回話したとおりだ。

そういった意味で、マクロな視点で見るとFolksonomyという分類は
新しいアプローチであり、その情報が蓄積することによって今までにない
関連性が見出せる事だろうけど

じゃぁ個人レベルでそれはどうなん?

って事だよな。
はっきりいって、個人レベルのブックマークなんか
階層型で十分だと思う。というか、階層型がいい。
理由は大きく4点
 ・データの対象が少ないので、カテゴリ分けしても破綻しにくい。
 ・階層を決めるのは自分なので、自分がわかる階層(フォルダ)を作ればいい。
 ・タグ付けによる分類だと、欲しい情報を探すときにいちいち検索という手順を踏まなければならない。
 ・慣れている。(フォルダ階層然り、メニュー階層然り、組織構成然り)

タグ付けは、情報整理をパーソナルからソーシャル(対語かしらん)へ移行するにあたり
Folks という単語が表すように、多数が参加するからこそ意味がある。
でも、個人レベルでは階層型で分類したい。



今まで散々、階層型とタグ型を比較して話してきたが、
これら二つは何も競合する概念ではないと思われる。
確かに、全ての集合を捉えればコンテンツのスパゲティ的なリンクは
階層型の意味を成さないのは分かるが、部分的な集合に着目すれば
それらは確実に機能している。


と、言うことで今はあるのかないのか知らんけれども
Web上で自分で好きなフォルダを作って階層型で管理し
どこからでもアクセスできるようにして、
そのブックマークにタグをつけることが可能
ってサービスにすればええんちゃうの?って気がする。
何も、新しいものがあるからといって古いものを捨てる必要はない。

> まあその直接ってのがファイル名指定やから不便なんかな
> あれをもっと使いやすくしてタグみたいにしたらええのに


これが具体的に何をイメージしているのかは分からないが
多分、似たようなことを言ってるんじゃないかな。

例えば年別月別(階層型)に保存されている個人のアルバムの中から
かつて彼女だった歴代の写真を探し出したい時は、
「彼女」という属性を持つタグで検索すればよい。
じゃっきーなんかだと、「コンパ」という属性も必要だろう。
まさか年代別のアルバム全てに目を通して探し出すわけにいかない。
彼女の写真が1枚しかなければ別だが。。。


まぁ、そんな感じで分類についての話は一旦終了。
長文読んで頂いた方はお疲れ様でした。


* 関連記事
階層型分類とタグ型分類の違いについて(Folksonomy)

* 参考サイト:
Folksonomy : del.icio.usとFlickrを支える情報アーキテクチャ
カテゴリ分けでは世界を認識できない。物理的な制約を超えて意味づけを実現するFolksonomy
kaz::hatena - タグ付けの構造
ソーシャルブックマーク考2 タグの構造について

posted by suVene at 12:19